シワ・タルミの治療

シワ治療には、脂肪注入、多血小板療法（PRP）、ボトックス治療、スレッドリフト、フェイスリフト手術で総合的に治療しています。
「できるだけ気づかれないように、ダウンタイムを少なく」と希望される方には、再生医療の多血小板血漿治療（PRP治療）をおすすめしています。
この治療は、使われ始めた頃には予期せぬ合併症が見られましたが、これは用い方を誤っていたためで、正しく使えばヒアルロン酸に代わるすばらしい治療方法です。ご自身の細胞で、ご自身の組織（脂肪）が再生されるため、半永久的に維持されます。しかしながら、エイジングも進みますので、その効果は約4年と云われています。

ボトックス注射

眉間のシワ、目尻のシワ、ひたいのシワ、オトガイのシワ（ウメボシ皺）に有効です。
眉毛の位置を変えて、好みの眉形態にすることもできます。
【治療効果：約4ヶ月】

多血小板血漿（PRP）療法

再生医療による顔若返り治療（フェイシャル・リジュビネイト）
患者様自身の濃縮した血小板（PRP）をシワなどの皮下に注入することによって患者さん自身の組織の増生を促す治療法です。

クリニックは、 厚生労働省の「再生医療等安全確保法」の認可を受けています。（施設番号FC6170001）

＜適応と利点＞
まぶたの凹み、ほうれい線などのシワの治療や頬のハリ、リフトアップ効果などボリュームアップで効果が期待できるものが適応となります。自分の細胞・組織を増やすことによって効果を得ることができる点で、異物を注入する他の治療法とは異なります。

＜治療の概要＞
採血した血液から血清成分のみを取り出し、PRP（多血小板血漿）を作製します。そこへbFGF（塩基性線維芽細胞増殖因子：薬剤名フィブラスト）の微量を添加します。このように作製した多血小板血漿＋bFGF（PRPF）を皮下に注入します。皮下深部に注入されたPRPFは生理的な反応によって主に脂肪に置き換わり、ボリュームアップ効果を出します。

＜効果の持続について＞
・ボリューム獲得の効果は約1ヶ月で完成し、その後の変化はありませんのでご安心ください。
（年齢・環境により個人差はあります。）

＜リスクについて＞
・皮下出血や腫れ/炎症反応がまれに起こります：個人差がありますが、概ね1-2週間程度で改善します。
・予想よりもボリュームが出来すぎる（組織の過剰再生）：PRPの注入量が多すぎた場合は注入後1ヶ月以内にステロイドの注射で減量できます。
*PRP治療後に「しこりが生じた」「発赤や痛みが繰り返す」などの事例が報告されています。これはbFGFが過量の場合や、短期間で繰り返し同じ場所に注入する場合に多く発生しています。クリニックのプロトコールでこのような事例はありません。
*PRPは私が10年以上研究に携わってきた領域です。お気軽にご相談下さい。
*PRPFについて更に詳しい内容を確認されたい方は下記よりご確認ください。

脂肪注入療法

脂肪注入は、その生着率が約60％と言われてきましたが、最近では70-80％にまで上がっています。
クリニックでは、通院で加療できる範囲内で脂肪注入を行っています。

脂肪注入療法の種類

1．マクロファット：脂肪吸引で採取した脂肪組織を遠心機で濃縮します。不純物や水分を取り除いて生着に有利な脂肪細胞とし、これを目的部位に注入します。コンデンスファットとほぼ変わらない脂肪です。
用途：豊胸、乳房再建、顔の深層部のボリュームアップ
豊胸や乳房再建では、一度に移植する量を多くすると、生着率が悪くなりますので、確実に生着する量を注入します。

2．マイクロファット：上記のマクロファットをフィルターに通して細小化した脂肪です。用途に応じて2.4mm 1.4mm 1.2mmに調整して、細い注射針（21-23G）で注入します。このため、キズあとが目立ちません。
用途：顔面への脂肪移植（額、こめかみ、眉間、目の上のくぼみ、ほうれい線　など）

3．ナノファット：マイクファットをさらにフィルターを使って細小化した脂肪です。0.4mmの大きさにして、さらに細い注射針（27-30G）で注入しますので、キズあとを残しません。
用途：下眼瞼の小ジワ、口回り・頚部のシワ

＜手技＞
5mm程の皮膚切開から脂肪採取部（側腹部など）に薄めた局所麻酔液を注入します。脂肪吸引器を挿入して脂肪組織を採取します。
採取した脂肪組織を遠心機にかけて移植に適した脂肪のみを取り出し、脂肪を移植部位に適した大きさ（マクロ、マイクロ、ナノファット）にします。
注射器に脂肪を入れ、目的部位に注入します。

＜注入後＞
脂肪採取部位は、弾性テープで圧迫固定して術後出血を防止します。翌日には圧迫を解除できます。
脂肪注入部位は、可能な部位は創傷被覆材で軽く圧迫します。脂肪の生着のためには、2週間は注入部位の安静が必要です。この間に、移植脂肪細胞が周囲から栄養をうける環境が整い、脂肪の生着が確立されます。
脂肪注入療法は、侵襲が少なく、通院で行える治療です。

スレッドリフト・フェイスリフト

スレッドリフト

ボブリフト、シルエットソフトを使用しています。

頬の垂れ下がりを吸収性の糸を用いてリフトアップします。糸は約1年で吸収されますが、糸の周囲に形成された瘢痕組織で垂れ下がりの予防効果が見られます。
手術時間は、左右で約30分ですみます。当日からの化粧も可能です。

フェイスリフト

シワとタルミの改善には、手術方法が最も効果があります。

1．中顔面のフェイスリフト（Lateral SMASectomy I法）
頬から下顎縁のタルミを改善する効果があります。
局所麻酔で行います。
局所麻酔薬は、マイクロカニューレで注入するので痛みは軽度です。
皮膚切開は、もみあげー耳前部―耳垂後面で行いますので、術直後からキズが目立たず4～5日目から仕事復帰が可能です。
また、キズの縫合部には生体糊を塗布してカバーし、ガーゼを当ないので目立ちません。
翌日、小ドレーンを抜いてからは入浴も可能です。
同時に、ほうれい線にPRP or　脂肪注入を併用すると効果的です。

2．中顔面から下顔面のフェイスリフト（Lateral SMASectomy II法）
ホホから下顎縁と頚部のタルミを改善する効果があります。
1.と同様に局所麻酔で行います。
皮膚切開は、もみあげー耳前部―耳垂―耳介後面―生え際の範囲で行います。
術直後の経過は、中顔面のフェイスリフトよりも少し長くなります。

3．全顔面のリフト
全身麻酔で行います。
2.の中顔面から下顔面のフェイスリフトに額と目尻のシワ除去が加わります。
額の皺除去は、頭皮内の3か所（約2cm）の切開から内視鏡を用いて行います。
4～5日の入院が必要となります。